「 やわらかな午後の陽に 」

インフォメーション
タイトル : 「 やわらかな午後の陽に 」
日 程 :2022年3月3日(木)〜 3月6日(日)
時 間 :10:30 – 18:00
展示作家:藤本純輝
入場料 : 無料
会 場 :Artist-in-Residence 賀茂なす
〒600-8375
京都府京都市下京区下長福寺町276(BANKS KYOTO 2F)
本展について
AIR賀茂なすでは、ARTISTS’ FAIR KYOTO 2021でアワードを受賞した作家、藤本純輝の個展を開催致します。
見えそうで見えない、しかしそこにあるような気配がする…現実に我々が目にする絵画と過去の記憶を重ね合わせながら、静かな癒しの旅に連れ出してくれる画布。しかしその癒しの過程には苦しみを伴うことを藤本の作品は語る。その独特の清さと抽象化されてゆく景色を前にして、思考と交感神経の働きが強制的に停止され、抗精神薬を飲まされた感覚にも陥るのだ。抽象画と現代美術の文脈に慣れた者には、その答えのない追求に身を任せること自体が難しく、まるで死者たちはどこへ行ったのかという普遍的で未解決の問いを繰り返すかのような戦いに身を置くことになってゆく。
ワシリー・カンディンスキーは『抽象芸術論 芸術における精神的なもの』の中で題名の通り「精神的」という言葉を繰り返す。規律とその破壊に苛まれた彼の人生において、純粋に内的感覚に寄り添った色彩表現に移行していったが、捨てようとした「規律」が「精神性」とう主題に置き換わり、主題の存在しない自由にはなかなか到達しない様子がコンポジションシリーズに見られる。藤本もまた、学んできた美術の構造・戦略・デッザンという権威から抜け出すために、そこに在るものを純粋に描き出し、見る者に解釈を委ねようと自由を求めるが、絵画的な構図の解体や「無」の東洋的定義の引用にはパラドクスが発生する。 見えそうで見えない、しかしそこにあるような気配がする…そのもどかしさと葛藤が藤本の作品の魅力であり、自由をやわらく阻み続ける絵画の永久的な価値でもある。
藤本純輝 Atsuki Fujimoto
1997年三重県生まれ。2021年京都芸術大学大学院 芸術研究科修士課程芸術専攻 美術工芸領域油画分野修了。2021年「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2021 Akatsuki ART AWARD」優秀賞、「シェル美術賞2021 角奈緒子賞」受賞。個展に2021年「森のテラスで一杯の紅茶を飲む」Ace Hotel Kyoto 一階ロビーギャラリー(京都)、2018年「そこに或るは真実か」京都芸術大学ギャルリ・オーブ(京都)。2021年には10展以上のグループ展に精力的に参加。
ご来場の際に
感染症対策のため、2F展示スペースが定員に達した場合はお待ち頂く可能性もございます。事前にご了承ください。
1Fのスペースにてお待ちいただけます。
ご入場時には検温・アルコール消毒、マスクの着用をお願い致します。
会場には専用の駐車場、駐輪場をご用意しておりません。
お車でお越しの際は、お近くのコインパーキングのご利用をお願いしております。ご理解とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。